少し前にエンドウから東急旧5000系アオガエルが久しぶりに再版され、キットも出ました。

店の電車製作事例サンプルとして、初版のエンドウアオガエルがあります。時とともに熟成させているサンプルでもあるので、モーターの取り換え、照明のLED化など、時代とともに進化するサンプルということになっています。形態的には後期車の更新パターンの窓で、’70年代末期の東横線6両編成をモチーフにしています。
今回発売されたものは、最近他社から出たものに刺激されたのか、ディテールパーツも結構追加されていて気になったので、店用としてさらに3両追加することにしました。

大窓ドアのキットには、タニカワ製品以来と思われるスチールサッシのパーツが入っています。ということで、東横線バージョンの少し後、’80年代初頭に東横線や田園都市線から撤退して目蒲線に流れて来た時代のトップナンバーの編成にしようと思います。
登場時と同じ、5001-5351-5002の編成で、ドアはHゴムなしの大窓、側窓はスチールサッシとかなり原形に近い状態で更新されていました。もう東横線でスチールサッシの車は見かけなかったですし、側扉も殆ど小窓化されていたので、これを見た時はちょっと驚きました。管理人はその頃浪人していたわけで、浪人仲間のところへ呑みに行く時に乗っていたので、写真は撮っていなかったのですが、さすが今はネットの時代、ズバリの写真がいくつも出て来ます。それによれば、その翌年には他車と同様に雨どいが撤去されてドア上に水切りが付いた坊主にされたようです。管理人は翌年には晴れて浪人から脱出して目蒲線とさよなら出来たので坊主になったトップナンバーの編成は目にしていません。
今回のドア大窓キットでは、Hゴム付きのドアが入っていましたが、初版ではHゴムなしの大窓ドアが選択パーツで入っていました。また、前面はサボを使用していた時代の設定で、サボ受けを取り付けるスリットが開けられていました。Hゴムの部分を細ヤスリで削除するとHゴム無しの窓と同じ大きさになるとか、サボ受けのスリットはハンダで埋めればいいか、とかいろいろ思案していました。
たまたま知り合いが初版のキットを持っていて、サボ付きの使用にしたいということだったので、初版になかったHゴム付きドアとサボ受け用スリットのある前面とサボ受けを譲渡して、入れ替えに初版の前面とHゴム無しドアを譲受することになり、かなり作業の省力化が図れることになりました。あと残る課題は、今回の大窓ドアのキット、ユニットサッシ風の縁取りが付いた更新バージョンなのですが、スチールサッシのまま更新された車では戸袋部分にも縁取りがあるんですね。さて、これをどうするかです。原形ではすべての窓に縁取りはありません。ドアも後期の車になると最初からHゴム付きです。両数が多いだけに細部のバリエーションも多いのですが、このあたり鉄道ピクトリアルNo.942の東急5000系特集の記事と写真がとても参考になります。



これが、スチールサッシ表現のあったタニカワの東急5000系です。スチールサッシが太いのもそうですが、前面の印象もエンドウ品と並べてみるとかなり違います。アオガエルの前面、丸っこいようで案外骨ばっていること、オデコに奥行き感がないといけないなど、造形の難しいネタであることがわかります。エンドウ製品が継ぎ目の消しにくい乗務員扉と客扉の中間でつないでいるのはそういう理由でしょう。
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