客車の調整も進んだので
急行「はまなす」の廃止が正式に決まって、日本から定期の客車列車は全滅することになりました。そして旧型客車については、SLの保存運転に関連してごく僅かが残っている程度です。客車列車というのは、編成の自由度が極めて大きいですから、模型の世界では狭いレイアウトあるいはフロアーレイアウトでも様々な楽しみ方があるものです。最近のNや16番の製品を見ると、「急行〇〇」の編成ということで、車両番号から始まって、号車番号札、揚句は行先サボまで印刷済みという、現代の電車編成のようなセットが多いのですが、その列車だけにしか使えないというのは、旧型客車の魅力を大いにスポイルするものです。例えば、同じ急行「津軽」の編成でも、客車区に帰って来れば検査切れになる車両を抜いて、そうでない他の車両に組み替えるという作業が毎日行われていました。また、需要に応じて増解結の自由度も大きかったですから、急行列車でも最繁忙期にはとんでもない車種が連結されていたりしたものです。
店レイアウトのサンプル群は、そんな世界をいかに手軽に安上がりに再現するかというご提案でもあるのです。客車の調整もだいぶできて来たので、最近出番の少ないEF57を連結した場合のテストを行いました。
バブル経済の頃のもので、缶モーターになってから比較的初期のものですが、モーターが不良だったようで、速度が上がりませんでした。分解してみると、ギアボックスは軸が固定式であるものの、割としっかりした造りで問題なさそうでしたので、モーターをカツミ・エンドウが使用しているキャノンEN22に換装しました。
これでほぼ問題は解決したのですが、改めて走らせてみると軸が固定ということもあって、その後出て来たカント付線路では瞬間停電が頻発します。走行がギクシャクするほどではないのですが。現代における天賞堂の「ブラスベーシックシリーズ」全般に言える問題かもしれませんね。先台車周りがネジ止めによる組立で、ネジの緩みに起因するトラブルが多いということも頭に置いておく必要があります。
その57、現在の姿です。細かいレタリングを追加し、ウエザリングも施しました。「電暖仕様」と謳っているのに、電気暖房のジャンパーケーブルが省略されていたので、これを追設しました。連結器も最近は「スケールヘッド」の小ぶりのものがありますから、どれを使おうか検討中です。でも、57は、機関区の横でも、踏切でも、駅でもやっぱりこの角度から見るのが一番ですね。
サイドビューです。左が2エンド側になります。細かい標記類は、くろま屋製のインレタです。プラ製品では印刷済みになっていますが、真鍮製品では殆ど無視されていた部分です。濃い色の機関車では特に効果的なのでお勧めです。欲を言えば、配置区票、こんなりっぱなものでなく、ペンキ書きの黒地に白文字の「宇」にしたいところです。そんな部品も全部揃ってしまいます。有難い時代になったと思いますね。暇な時にここも手を入れたいと思います。
屋上とデッキ上面のウエザリングは、管理人が実際にこの機関車の引く列車に乗った時の印象を基にしています。
四半世紀も前のものですが、基本がしっかりしているだけに、今日も進化し続けます。鉄道模型というのは、元々そういうものだったと思うのですが、そういう感覚が薄くなって来ているのは少々淋しい感じがしますね。
最近のコメント