運転に関する注意点は・・・
クリスマスも近いので、今日も入門者向けのお話です。各社のカタログを見ると、基本的な走らせ方までの説明がありますが、鉄道模型の基本的なルールとか仕様に触れているものはあまり見ません。そのあたりを補足してみたいと思います。
基本的な配線です。ここまでは大体カタログに出ています。家庭用の交流100Vを直流0~12Vに変換して線路に供給します。左右の線路にはそれぞれ+と-の電気が流れていて、逆転スイッチでこれを切り替えることで前後進します。
ここで一つ、大事な決まりごとがあります。
写真のように、進行方向右側に+の電流が流れるようにします。これは16番でもNでも共通です。特に自作したりキットを組み立てたりする場合、この原則に沿って走るように配線しなければなりません。いい加減にやると、動力車を複数連結した列車の場合、押し合ったり引っ張り合ったりして走らない!ということも起こります。
両側のレールに電気が流れていますから線路の上にハサミなどの金属を置くとショートして危険ですから絶対に置かないようにしてください。
さて、その電車の走行メカを見てみましょう。Nゲージの場合は、フルカバーになっているので外からは見えませんので、16番のもので説明しますが、基本的な構造の考え方はNの場合も似たようなものです。
モーターの回転はシャフトを介して車輪に伝わりますが、前後の台車はカーブで首を振りますし、線路の凹凸を吸収しなければなりません。そのために台車との接続部分にはユニバーサルジョイントが使われます。Nゲージの場合、あの大きさの中にこのようなメカが詰まっているわけです。プラレールのような玩具とは全く違った精密な構造になっています。
従って、パワーパックの目盛りをフルにして全速力で走らせている時にいきなり逆転させたりすれば当然壊れます。
前回、鉄道模型は縮尺で鉄道の世界を再現するものであるというお話をしました。ならば、走行も出来るだけそれに沿うように、ということで「スケールスピード」という考え方があります。1/150の世界における80km/hとは?ということですね。1秒間にどのくらい進むかを計算すればよいのですが、それもちょっと面倒です。
そこで、こんな考え方も出来ます。線路の脇で列車を眺めた時に聞こえてくる「タタンタタン」という音のリズムを模型でも合わせてみるのです。
車両が縮尺で出来ているのですから、台車部分も当然同じ縮尺です。それが実物と同じリズムの音を立てれば、1/150なり1/80のスピードということになりますね。思いの外遅く感じるかと思います。東京タワーから下を走る車を見ると遅く感じるのと一緒です。線路の高さに視線を落としてみるとなるほどと思えるはずです。
このように鉄道模型は、走行についても発進から停止まで実感的になるような構造になっています。スケールスピードで走らせている分にはすぐに動かなくなったりすることはまずありませんが、急発進、急停止、急逆転、連続的な全速走行などをすればたちまち壊れてしまいます。この辺も幼児向けの玩具とは明らかに異なる部分です。
眺めても走らせてもかっこ良く見えるのはこのように非常にデリケートな造りによるものだと考えてください。あくまでも大人の趣味人の心を満たすもの、という観点から作られているのですから。
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