Nゲージ スハ33を実感的に!
Nゲージも最近は旧型客車の種類が増えて来ました。旧型客車は基本的に1両単位で運用されますから、新形式が発売されたら1両ずつ摘まんで既存の列車に追加してやると、実感的な編成になります。とうとうカトーからは、スハ33といったレアなものまで出て来ましたので、弄ってみました。スハ33はスロ54の冷房化で重量が増加するのを抑えるためにスハ32と台車を交換するなどで発生した形式です。製品は播但線のC57あたりと絡めて発売されましたが、旧型客車の末期には福島や郡山あたりに集中していて、東北線や磐越西線の普通列車で使用されていました。まもなく発売されるED71牽引の普通列車にも似合いそうです。
実際の作業です。
まずは車体を分解して屋根を外します。屋根からベンチレーターも外します。
屋根本体はキャンバス張りの雰囲気を出すためにスエード調塗料のグレーを使ってみました。色味も黒の強いグレーなので、旧型客車の屋根の地色には良さそうな感じです。
Nゲージではややオーバーかなという気もしますが、それっぽい感じになりました。ベンチレーターも成型色のままでは安っぽいので、外したついでにGM⑨で塗っておきます。
乾燥したらベンチレーターを元通り取り付けます。だいぶ落ち着きましたが、これでもまだ保存車っぽくてきれいすぎです。もう少し手を加えて「生きている」感じにします。
鋳鉄制輪子由来の錆が飛び散っているのを表現します。車体と違って屋根は掃除しないので結構錆っぽくなっていたものです。
エアブラシでごく薄く溶いたレッドブラウンをふんわりと吹きかける要領で塗ります。ポイントは、下地の色が透けることと、塗料の粒粒が見えないくらいになるようにすることです。「赤錆色」というのも他社から出ていますが、Nゲージの大きさでは赤みが強すぎる感じだったので、これを使うことにしました。
鉄粉が発生する下回りも同様にしますが、手を抜いて地の黒は成型色を活かします。乾燥したら両者ともつや消しクリアーのオーバーコートをかけて、完全なつや消しに仕上げます。
ばらしたついでに、座席に色を入れておきます。オハ61ではあるまいし、背ずりが板張りなのはあんまりですから・・・。
こうして塗り終えたパーツを元通りに組み立てると、こんな感じになりました。車体と屋根や床下の艶の差を明確にすると、全体がしまって見えて来ます。特に成型色の床下に手を加えると効果は絶大です。
製品状態(右)との比較です。
早速店レイアウトのNゲージデモ列車に連結してみます。他の車も同様の加工が施されています。
買って来たものをただ連結しただけのとは全く違った、旧型客車の重厚感が感じられるものになります。
およそ2時間くらいで出来る作業ですが、手を加えてやることで愛着も湧いてきますね。ぜひチャレンジしてみてください。
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