さらば、113系オリジナルグリーン車
来る3月18日のJRダイヤ改正で113系近郊型電車は、その「発祥の地」である東京駅から姿を消す事になりました。
JR東日本でも房総ローカルなどにはまだ残りますし、東海、西日本、四国にも113系はあるわけですが、グリーン車を2両連結した堂々15両の長大な編成は見納め、そして113系からグリーン車が消滅します。
昭和37年に111系、翌38年にその出力増強タイプの113系が登場し、途中代替わりしているとは言え、40年以上に亘って東海道線東京口の顔として活躍してきました。
この車両は、113系オリジナルのグリーン車としては最後のものと言えるサロ110-1200番台です。その後に登場した2階建てのサロ124、125は211系への転用を前提としたものですし、構造なども211系に近いので、113系グループとして捉えるにはちょっと無理があるようにも思えます。
古くから、東海道線・横須賀線では普通列車にもグリーン車(1等車)が連結されており、113系でも当初から1等車の設定がありました。窓がずらりと並ぶこのスタイルは153系のサロ153からの流れですが、それもそのはず、当初連結されていたサロ110-0番台は、153系の1等車が大窓・リクライニングシートのサロ152にグレードアップされた際にはじき出されたサロ153を改造したものだったからです。その相棒は同形態のサロ111-0であり、これは111・113系のオリジナル車として製造されたもので、定員を増やす意味でトイレや車掌室はなく、また近郊型ということで台車はコイルバネと言うものでした。
その後、横須賀線地下化に対応するための難燃化改造、座席をグレードアップしたサロ113の登場(この車両は数奇な運命を辿りましたが・・・)などがありました。
昭和も50年代に入り、当初のサロ110・111が老朽化したため、その置き換えをはかる事になりましたが、当時の国鉄の台所事情から新造が難しく、当時余剰気味だった特急形グリーン車を改造して当てる事になり、181・183・489系などをベースにした多彩なスタイルのグリーン車が登場しました。急行形のサロ165、さらにはサハ165を改造したものまで現れ、趣味的には面白い時代だったと思います。サロ165改造のサロ110-401など、以前存在したサロ152改造のサロ112の再来のようでしたし。
サロ110-1200番台は、これらのいわゆる「化けサロ」が登場した頃に並行して新造されたものです。「化けサロ」の方は、後に混雑緩和のために登場した2階建てグリーン車によって置き換えられ、廃車になったというのはご承知の通りです。
さて、その113系もこの1年で殆どがE231系になって最近では見かけることも少なくなってしまいました。国鉄の新性能電車の中でも大きなグループですから、模型ネタとしても色々楽しめるわけですが、そのためにも資料になるような写真を撮っておくと良いでしょう。
外観はもちろんなのですが、普通車とは異なった窓並びですから、照明を入れて暗いところで走らせるのもオツなもの。そのためにも車内も抜かりなく記録しておくべきですね。
内装が更新されていないので、デッキのドアを開けて中へ入ると、そこには懐かしい「国鉄」の世界が広がっています。無機質な色使い、事務的な感じの車内の造作、ほんのり漂ってくる車内の匂いもまさに国鉄ですね。
出入口上の「グリーン車」表示。国鉄時代はこうしたものまで細かく規格が定められていました。
座席は同時代の特急電車の普通車と同じ簡易リクライニングシートですが、国鉄の決まりでグリーン車は赤、ということになっていました。(普通車は青)
出入口の号車番号札もE231系ではシールですし、こうした細かい部分も含めて丁寧に記録しておくと、あとできっと役に立つと思います。
今度の改正では寝台特急「出雲」も廃止、そのあと中央線201系の廃車が始まりますが、これが終わると東京駅で見られる国鉄型車両は東北新幹線の200系更新車、寝台特急「はやぶさ・富士」、急行「銀河」、そしてJR化後にまたがって作られた211系くらいになってしまいます。
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コメント
さらば髪の毛
投稿: さらば | 2023年1月19日 (木) 14時06分
石鉄さま
まだ乗る機会もあるのかもしれませんけれど、仕事の時間の事もあって、確実に出会える休日ダイヤの小田原駅21:53発の普通電車に乗りました。
最終日間際の大騒ぎになる前に、本当の「さよなら」をしてきました。
投稿: さがみ | 2006年1月16日 (月) 23時58分
本当東海道線の113系のグリーン車を小さい頃からずっと乗りたかったので、引退する前にでも一度乗っておきたいです。僕が思うのですが、E231系は、東海道線の景観を壊していると思うのですが。
投稿: 石鉄 | 2006年1月16日 (月) 22時23分
首都圏ではもう一つ、常磐線に残る103系が消えて行きます。山手線の最新鋭車として登場した時からずっと見続けてきたものだけに、これまた感慨深いものがあります。
投稿: さがみ | 2006年1月16日 (月) 13時14分
東海道も淋しくなりますね、まして、製造年代が、自分と同世代の車両が引退と聞くと、淋しい感じですよね。自分の体の老朽化も心配しなくては・・・
投稿: d52_403 | 2006年1月16日 (月) 12時37分