103系電車は、ありふれた新性能電車ですが、高加減速に対応するため、電動機が大きく、車輪直径もφ910になっているという特徴があります。模型の方、昔はモハ車も付随車と台車形状が類似しているということで、付随車用のTR62、あるいはキハ用のDT22あたりで代用していましたが、さすがに現代水準では、それはないですね。日光モデルからもDT33が発売されています。
車体も、カツミ、KS、モリヤなど各社から発売されています。バリエーションの多い形式だけに、特定のメーカーでしかやっていないものもあります。走行については、やはり現代水準のMPギアを使いたいところですね。よくお尋ねをいただくのが、モリヤの103系の場合、どのようにしてMP化するか、というものです。何しろ、今になって引っ張り出して組み始めると、説明書には「今は亡き」パワートラックGT-1を使用せよ、との指示がありますし、動力を入れないモハ車も車輪をφ10.5に交換せよという意味不明のことが書かれています。もちろんアングル位置の設定は、車輪をφ10.5にした上で、キットに入っている「モリヤ規格?」のボルスターを使うのを前提にした設定です。このままの設定で動力車をMP化すれば、編成が凸凹になってしまう危険性大ですね。
そこで、ここは全車両カツミ・エンドウ規格に準拠したものにしてしまいます。まず、カツミの103系を見るとアングルは裾から3mmになっています。

エンドウお得意の裾を折り返す方式ですが、寸法を揃えれば良いので、モリヤのキットも説明書は無視してこの寸法にします。
モリヤのキットは、幸い床板がカツミと同じt1.0ですから問題ありません。KSの場合はt0.8ですので、その分を引いて裾から2.8mmのところに付ければ高さが揃います。

これはエンドウ製の床板ですが、MP用のセンターピン穴はこのように小さいので、モリヤのキットの場合には、エンドウ#5902「付随台車マクラバリ2」に付属の真鍮ワッシャーを床板にハンダ付けしてMP対応に改造することになります。
台車の方、電動車用のDT33は日光製品しかありませんから、まずはネジ止めを分解してボルスターをMP用に交換します。

#5902と同じセンターピン関係の部品も入っています。#5902も、この#6313も含まれているセンタースペーサーはt1.8のものです。これは標準的なφ10.5の車輪を履かせると正規の高さになるものですから、φ11.5のDT33の場合、車高が0.5mm高くなってしまいます。t1.3のスペーサーはDT33やDT13用のMPギアには付属しているのですが、単品での販売がありません。そこで、モハ車をトレーラーにする場合には、このスペーサーをノギスで測りながら、耐水ペーパーなどを使ってt1.3に削ってしまいます。アングル位置を2.5mmにすると、今度は床下機器取付板が側面からはみ出したりと、余計な手間が増えてしまいます。
クハやサハは、アングルを裾から3mmにして、台車をそのまま#5922で取り付ければモハ車と高さが揃うわけです。この法則に沿って各種作ってみました。

カツミの京浜東北とモリヤの山手。

こちらは、KSの京浜サハとモリヤの山手モハ。メーカー違いでも殆ど問題なく連結できるようになりました。
先週の京浜東北線基本7両は、モハ103の車体が入手できたので、車体を作り直すことにします。5年近くもかかれば、こういうことも起こりますね。
そのモリヤの103系、久しぶりに線路に載せてみました。震災の被害はあるものの、京浜モハ103程ではないので、少しずつ修復中です。

山手線登場時の8両編成、4M4Tのオーバースペックな構成になっています。完成するとこんな感じになる、というイメージサンプルです。ご参考まで。
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