インレタを入れた以外は入院直前の時の状態だったサハ103の作業も再開します。長期間放置されていた上に入院した時の混乱状態の中で紛失したパーツがいくつかありますが、調べたところ他社の類似パーツで代替したり、素材から簡単に作れそうなものばかりでしたので、完成させるに当たっての大きな問題はありません。
今夜は側面窓の中桟を入れました。このキットの特徴として、側面の2連窓、車体の方は窓全体の大きさの開口部で、2連のサッシを入れてから車体色に塗った中桟を接着するようになっています。昨日のモハ103の車体を見ればよくお分かりいただけるかと思います。
これはカツミも103系ですが、大体どこのメーカーも中桟を車体側に表現しています。モリヤのものは実車の構造を意識したものなのでしょう。さすがに桟をロストワックスというわけには行かないでしょうから、0.7mmの帯板状のプレスパーツを車体色に塗ってから接着するようになっています。細かいパーツなので、紛失していますから、改めて0.7mm幅の帯板をウグイス色に塗ってから窓の天地寸法に切って接着しました。
接着面積が少ないため、以前はゴム系で接着していましたが、接着面積が少ないため、取れ易いは、はみ出すはで苦労しました。今回は、白化しにくく強力なロックタイトを使ってみました。以前作ったものとほぼ同じ感じになりました。
電車と言うのは、編成でのまとまりが要求されますから、客車とは違った配慮が必要です。
この103系山手線は、管理人が幼稚園から小学生の頃の最新型電車でした。当然、当時の鉄道模型にもありました。交通博物館の大レイアウトにも走っていましたし、当然欲しかったのですが、今のものとは比べ物にならないほど簡素なものではあるものの、スケールものなど買ってもらえるわけもなく、山手貨物線のEF15あたりのつもりで買ってもらったEB45やエンドウのブリキの貨車で我慢するしかありませんでした。ボギー台車のED100すら却下!でしたから・・・。時を経て、社会人になった後、現代水準のものが出来そうなモリヤスタジオのものが発売されて入手したわけですが、車体が出てしばらくした後、阪神大震災が発生して、床下機器を作る鋳物屋さんが被災したとかで、床下が揃うまでかなり時間がかかってしまいました。やがて管理人も独立するわけですが、その間この103系は、ずっと押入れの中に放置されていました。
再び日の目を見るのは、この商売を始めて、「ありふれた通勤電車に気合を入れて取り組むとどんなものができるのだろうか?」というテーマを設定したことによります。鉄道模型と言うのはやはり華やかな特急やSLなどに力が入りがちです。でも、都会で生活していれば一番身近に接するのは、こうした通勤電車ですね。昔と違って、模型の方も多様化の傾向が出てきた頃です。103系についても、以前はDT22あたりでお茶を濁していたモハの台車もDT33が出るようになり、駆動装置もスケールの軸距離のMPギアが出てきました。
その頃には、いよいよ関東の103系は終焉ということで力が入ったのですが、その途中で入院する羽目になりました。
8両編成1本を製作するのにこれだけ紆余曲折があるのも異常ですが、ようやく落ち着いて製作できる環境になりました。くろま屋の103系特集のインレタ、ホビーモデルの初期型床下、KSのスタンションポールと網棚のパーツなど、側面から支援してくれる小物も増えました。
山あり谷ありでしたが、いよいよこの山手線もラストスパートです。何としても登場当時の8両編成で完成させたいと思います。あっ、先ほどのカツミのもの、退院後の手のリハビリ用に押さえておいたものです。単純な形状の上に、完成品前提ですから、雨どいもプレス打ち出し、アングルは裾の折り返し、ということで。山手線と並んで走る京浜東北線を作るつもりで用意したものです。これについてはまた後日取り上げたいと思います。
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