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2011年7月 3日 (日)

消えゆく「汽車の駅」

 最近列車で旅行をして気が付くのは、幹線の「主要駅」の姿が著しく変化していることです。たとえば、県庁所在地の駅など、どこも軒並み高架線になって来ています。

 昔の国鉄の主要駅と言えば、駅の本屋と鉄道管理局が一体になったビルがあって、改札を抜けると直接1番のりばに出る、という感じのものが多かったですね。1・2階や地下1階はお土産や飲食店が入った「ステーションデパート」になっているのが定番でした。主要駅ですから、数本のホームがあって、その向こうは客車や貨車がたくさん止まっている、という感じでした。垢抜けない感じがいかにも地方都市という感じで、これがまた旅の雰囲気を盛り上げてくれました。模型の視点で行けば、こうした駅には特急から鈍行まで様々な列車が並んでいましたから、結構面白い題材だと思うのですが、レイアウトの作例などでもあまり見かけません。昭和30~40年代、在来線が最も輝いていた時代の再現には欠かせません。北海道ならば、大型蒸機の急行列車などとの組み合わせもできそうです。「国電の駅」とは違う、風格のある「汽車の駅」です。

 その北海道も、先般旭川駅が高架化されて、残るは釧路駅のみになりました。

Asa1

 その旭川駅の現状です。一番奥の富良野線ホームや運転所のあったスペースに高架線が建設されました。駅本屋の機能はホームの真下にまとめられています。鉄道管理局やステーションデパートなど、「お約束」のものが入っていた旧本屋は目下解体中でした。その後はまた駅ビルでも建てるつもりなのでしょうか?

Asa2

 高架線の下の新しい駅に入ってみます。旧駅では、本屋から直接出られる1番のりばは、折り返し札幌方面の特急列車が主に使用して、ホームには特大サイズの駅弁ワゴンがいていかにも「主な駅」という感じでしたが、今度の駅は実にあっさりしています。ちょっと大きい私鉄の駅という風情です。改札口から列車が見えないというのもちょっと、という感じがしますね。

Asa3

 ホームも何となく私鉄っぽい感じです。最新の特急電車であれば、まあこういう組み合わせになるんだろうな、という気がしますが・・・

402

 ワンマンのキハ40はミスマッチという感じです。雪の多いところだけにホーム全体が大きな屋根で覆われていて、線路の構造にも配慮が見られます。屋根を支える柱が何となく小田急線秦野駅のそれと似ているように思いました。かろうじてホームの駅弁売りは残っていましたが、こうしてまた一つ「汽車の駅」が消えていきました。

 本州にもかつてはたくさんありましたが、東京から比較的近く、オリジナルの雰囲気を良く残しているのが新潟駅です。駅前にタクシーやバスが無造作に入り込んでいるというのも、この手の駅に共通しています。眺めていると、結構古いバスがやってきたりするのは、地方都市の楽しみの一つですね。N1

 やはり鉄道管理局とステーションデパート的なものが入ったスタイルで、現在に至るまで比較的原形をとどめています。しかし、ここもすでに高架工事が始まっており、そう遠くないうちに姿を消しそうです。

N2

 正面の改札です。自動改札になり、発車案内もLEDですが、案内放送が自動放送でなく、終日肉声によるものが本屋内に流れるのは、今となっては貴重かもしれません。「間もなく1番線から村上行きが発車いたします。豊栄・新発田・坂町方面 村上行きをご利用の方は1番線の列車にご乗車ください」といったありふれた放送が無機質な機械の声か肉声なのかで駅構内の雰囲気がずいぶん変わるものです。改札の向こうに止まっている列車も国鉄形中心というのもポイント高いですね。

 JRになって20年以上が経過し、車両だけでなく、駅なども着実に変化しています。見落とされがちなジャンルですが、在来線が華やかだった時代の名残として記録しておきたいものです。

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